好調でも順調でも人が離れていく理由

株式会社サカワ

代表取締役社長

坂和寿忠 様

創業104年、愛媛の老舗黒板製造会社として、ニッチながら教育業界では知らないところがない。ただ、タブレットなどのデバイスの登場や少子化の波に押され、教育現場で主役だったはずの黒板がその存在感を失いかけていた。

祖母の代から会社を託され4代目の社長として就任した坂和氏は、斜陽産業となった黒板のこれからを模索し、台湾のプロジェクターメーカーと手を組むなどして、新しいコンセプトの黒板を発表。傾きつつあった経営を立て直し、V字回復を実現してきた。

「調子に乗っていましたね。会社がどんどん成長していくんですから。それと同時に旧態依然とした社内体制の一新にも乗り出して、組織も一気に若返りを図り、人事考課や評価制度も見直したり、週休3日制の導入など、働く場所としての魅力も打ち出してきたはずなんですが」。

実はこのとき、同社の社内体制が少しずつ崩壊しだしていたのだという。売上は堅実に伸び、若手が活躍できる土壌も形成しているにもかかわらず、退職者が続いていたからだ。

「理由がわからなかったんです。ポストも責任も仕事も任せていたから」。

でも、坂和氏が想像していた主体性を持った社員は育たず、進めてきた改革や制度の成果は上がらなかった。何のために経営をしているのかと、自分を見失いそうになっていた。
そんなとき、トレーナーとなる小林と出会った。小林は当時、オフィス内装を手掛ける事業に参入していて、同社の東京支社の内装デザインにも関わるなどで坂和氏と親交があった。そのときに相談を持ちかけ、ライフウェイク®️の存在を知った。

「社員の帰属意識ってどれだけ大切なのか、コーチングを受けて実感しました。経営には意味があって、動機や目的をきっちりと言葉にすることで信頼関係が構築できるなんて」。

相互理解が深まることで組織と業績は比例していく。その原因が自分にあったと理解できた坂和氏のショックは相当大きかった。でも、ライフウェイク®️によって、言ったことができない社員、もたもたしてすぐに話をしない社員、できると思っていたことが達成できなかった社員…すべて坂和氏の価値観だけで叱責していた。というよりも、すべて自分ができないことを過剰に求めていたことを理解できたことで、コミュニケーションや発信の仕方も一気に変化していった。人と自分は違う人間。違うのだから、自分のペースや能力も違う。そんな単純なことを、ライフウェイク®️を受けるまで理解すらできなかったことに恥じらい、そして悔いた。

「人生を振り返ると、途中から今の自分を形成してしまった瞬間が見つけられるんです。私はもともと内気でおとなしかった。話下手だったし、家族の中で何もかもできない立場の弱い子だった。それが家族に認められたいといろんなことに背伸びし、その和の中に入ろうとしていたんです」。

承認欲求というとわがままだと聞こえてしまうかもしれないが、自分が家族の一員として認められたいという欲求は誰にでもあると思う。けれど、そのために自己犠牲にしてきたものが大きすぎたのだ。自分のできないこと、苦手なことにを見ていると、家族との距離があった頃の自分を彷彿とさせ、それにイライラしてしまう。それが理解できただけでも、かなり大きな成果だと坂和氏は感じた。

「褒められることから逃げていたんです。そんな人間が人を評価できないですよね」。

スーパーポジティブに生きてきた自分はネガティブの塊だとわかったとき、坂和氏の人生は目覚め、経営の過信というものがリセットされた。まさにこれからが本気の経営者としてのドライブがかかっていく。

企業情報

  • 株式会社サカワ
  • [ 愛媛本社 ] 〒791-0301 愛媛県東温市南方2215-1
  • [ 東京支店 ] 〒101-0031 東京都千代田市東神田201011 SAKAMOTO BLD.
  • 代表者 : 代表取締役社長 坂和寿忠
  • 設立 : 1919年(大正8年)
  • 事業内容 : 電子黒板、黒板などの製造施工販売
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