The purpose ライフウェイク®︎コーチング導入目的

言葉は似ていても、真の理念には決意や覚悟が宿っている。

株式会社なまら十勝野

代表取締役

小山 勉 様

農業従事者の大半は個人経営の農家が占める。上下関係のない自由な環境を好む人にとっては願ってもない環境に見える。反面、ノウハウはすべて自らの経験でしか養えず、不作の原因などを分析するにもサンプルや検証の尺度も自分が基準となるため、事業として単独で成長させていくための努力は並大抵ではない。

北海道川西郡芽室町。ここで生まれ育った小山氏は、代々受け継がれてきた小山農園を守ってきた。同時に、個人事業主のままで農業を続けていくには様々な障壁が多いことも感じていた。そんな将来への不安や課題を克服するために、地元農家を中心に、十勝の地域活性と農産物のブランディングをはかろうと組織化を呼びかけた。ここまではよくある組合的な任意団体としての集まりだったが、小山氏がとったのは株式会社としての法人化。そして2016年、13人の農家が集まり、株式会社なまら十勝野という企業を設立した。これまでノウハウも経営観もバラバラに生きてきたファーマーたちがひとつになることは簡単ではない。そこで共通した理念をつくるしかないと小山氏は考えた。「集まった農家全員で理念をつくることに決めたんですが、言葉になってゆかないんです」。これまで個々に考えてきた農業観や経営観は違う。そして大切にしてきたことも個々によって違ってくる。あるファーマーが言った。「小山さんがつくってくれればいい」。一瞬、それでもいいかと心をよぎった。けれど、それなら小山農園のままでよい。組織化した意味がない。そんな葛藤を抱えながらも、何となく共通するであろう言葉を紡ぎ、最初の理念はできあがった。けれど、そこに並べられた言葉に小山氏には違和感しかなかった。

小山氏が以前から故意にお付き合いしている、株式会社エイムカンパニー(十勝や北海道の地元食材を活かし、帯広で広く飲食店を展開する企業)の代表である佐藤氏に、理念構築の悩みを打ち明けたところ、同社の理念は1泊2日の合宿でできあがったこと聞かされた。

「たった1泊2日の合宿で理念ができあがる。冷静に考えれば、そんな簡単に構築できるわけがないと思いますが、そのときはとにかく理念がほしかった。理念がなければ繋がっていけない気がして。危機感を覚えていたんです」。

そして役員二人、田邊と初めて対面することになった。田邊が小山に言った。「みんなで理念をつくったら必ずブレます。それは真の言葉ではないから」。そしてその答えを知るために、ライフウェイク®️コーチングを受けることになった。

コーチングを受けて知れたことは、今まで闘うことが優先していたことがわかった。農業を取り巻く既存の組織に対して、そして十勝以外で農業を営む人たちに対して、誰にも負けたくない。すべては劣等感から生まれていることがわかった。小山氏を含めたファーマーたちは、家業である農家を引き継いだ人が大半だ。中には渋々農業を継承した人もいる。
小山氏もそういう部分があった。敷かれたレールに乗せられているだけだと感じたり、自分自身のやり方が正しいことで親に認められたい、親を超えたいと見えないものと闘ってきた。それは闘争心ではなく劣等感から生まれるネガティブな感情だけだったとわかったとき、何とか形にしていた理念が言葉は似ていているけれど、全く本質が違っているこたことに気づくことができた。
そして今、法人化しようと思ったとき以上に、法人化したことの意味や意義が大きくなった。芽室よりも十勝。十勝の農家だけでなく、かかわる全ての企業や人たちと、農業、生命、技術を高め合う企業へと成長しようとしている。

「最初はすぐに大きくしていきたいと思っていたんです。それが今では農業をもっとよくしたい。魅力的な産業にして、大切な十勝の歴史を伝承してゆけるものにして、後継者となる人たちが憧れるものにしていきたいんです。そのためには、なまら十勝というブランドを大切に育み、私たちの次、そしてその次の世代へと続くものへと引き継げるものにしてゆかねばならないんですよ」。

今、なまら十勝野にジョインする農家や事業主は19にもなる。普通に社員を募るのとは違った稀有なリクルーティングではあるが、それも なまら十勝ならではの個性なのだ。

企業情報

  • 株式会社なまら十勝野
  • 〒082-0044 北海道河西郡芽室町芽室南5線27番地
  • 代表者 : 代表取締役 小山 勉
  • 設立 : 2016年6月
  • 事業内容 : 野菜の販売、新野菜の企画・販売、十勝の農業・ブランドの発展・拡販活動、次世代農業家の育成など
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