仲が良いだけの組織は、簡単に脆く崩れ始めることを知った。

仲間内でワイワイと楽しく仕事をしよう。会社を創業したときは、組織やら経営やらなど抜きにして、気の合う仲間だけで自由を謳歌しながら仕事がしたい。吉峰氏が描いていた組織づくりはシンプルなものだった。

地元鹿児島のソフトハウスに入社して、ずっと地元で暮らしていきたいと思っていた矢先、東京の取引先の開発現場への辞令がに送り込まれた。それもたった1人で。
仕事は充実していた。エンジニアとして刺激を受けることが多かったから。最初は鹿児島への想いも強くあった。故郷にできること、故郷だからこそやりたいことも見つけてみたかった。けれど、東京に来たことで味わた充実感は大きく、思い切ってここで骨を埋める決心をし、独立。フリーランスのエンジニアを経て、2009年に会社を設立した。
気の合う友だち同志が集まる集団をイメージして、組織は動き出した。仕事も順調に増えていった。だから新しいエンジニアを募って事業拡大狙おう。そう思って人を増やしていったとき、綻びが可視化した。

「とにかく自由をテーマに、楽しい仲間同士が集まればストレスなく会社動いていきます。けれど、仲の良さだけでは組織は本当に脆く、崩れ出していきました」。

組織は、横や縦だけの関係性だけでは継続しない。黙々と仕事には取り組んでくれるし、素直で誠実な仕事ぶりには感謝しかない。けれど、会社が向かう先を考え、動機づけできるメンバーが出てこない。そのとき、みんなで掲げられる何かを手に入れる必要性があると吉峰氏は思った。それが理念の構築だと気づいた。
偶然は必然なのか、絶妙なタイミングで一本の営業電話が入った。それがライフウェイク®️を知るきっかけになった。

「人には誰にでも変えられない過去があって、それとしっかりと向き合うことで未来につながっていく、そんな話をしてもらったとき、妻がよく話してくれていた話と被っていて」。

過去にいじめを経験し、そのときの苦悩、そして克服してきたことがあるから今の自分ができあがっていると吉峰氏の奥様はよく話していた。自分はどうなのか。どうせなら会社のみんなの前で自分を伝えられたら、そんな興味本位で吉峰氏のライフウェイク®️がスタートした。
会社と自分自身は別。だから企業理念の前に自分自身の理念を形にしようと思った。吉峰氏という人間がどんな人生を送ってきたのか。どんな背景が自由を謳歌する環境を好む人間へと導いたのか。なぜ自分が幸せになればよいという考え方が生まれてきたのか、ありふれたうわべの言葉だけでなく、吉峰氏自身のすべてを知ってもらうことで、本物の言葉でメッセージを発信したいと思った。

「私の後、幹部・メンバー、そして新卒の新人へとライフウェイク®️を受けてもらっているんですが、一番の成果は仲間のことを『知れてよかった』と思えることだったんです。人生の背景まで知ることで明らかにコミュニケーションが変化します。例えば、何かを伝えるとき、個々に合わせたコミュニケーションをするようになります。そうしようと思えるほど、ライフウェイク®️後は距離が近づいているんです。曖昧だった『仲がよい』という定義が明確になると、今までのような脆さを感じることはないですね」。

今、株式会社オールスマート様の組織づくりは第二フェーズに入っている。理念が構築できた今、新たな課題にも直面している。

「最近は組織というものに僕が求めているところと、みんなの求めているところの違いを感じる瞬間もあるんです。活躍している人が、私のイメージしている人とは違う人だったり…多様性が求められる時代、人それぞれでいいのかもしれない。けれど、自分がイメージできる人に育てるのか、そういう人を採用していくようにする方がいいのか、これからのための選択肢をネクストメッセージさんにお手伝いしてもらうつもりです」。

• 前の記事へ
• 次の記事へ