自分のすべてを曝け出す覚悟と勇気。それが経営者を変え、大切な仲間たちの意識を変え、会社は成長していくことを知れた。

株式会社ベスト

代表取締役

野田 康洋 様

活況かと思いきや急な落ち込みで苦戦する。特に自動車関連の製造関連業種は、バブル以降いくつもの試練を経験してきた。株式会社ベストも同様、苦難を乗り切れたと思いきや下降をたどるという厳しい経営を強いられていた。あるときN字回復という文字に惹かれ、とある著書を手にした。そこに“理念経営”がベースになければ成立しないことを知り、これまで掲げていた理念の見直しに入った。
それまでの理念は、先代時代にISO取得のため野田氏が即席で作成したものだった。

「理念に掲げていた言葉に偽りはありませんでした。けれど、社員に共感を得られるものではなかった」。

当然、自分自身の心に響く言葉はそこにはなく、このままでは社員一人ひとりに理念が行き渡るイメージは湧かない。そしてライフウェイク®️の合宿に踏み切った。
自分とはどんな人間なのか。これまでも多くの人たちと出会い、できる限り自分という人間を曝け出してきた自信はあった。けれど、それはほんの一部分だけだとライフウェイク®️で実感した。

「相当な覚悟を持って臨みましたよ。0歳からの自分を振り返る機会などなかったし、話したくないこと、話せなかったことまで曝け出すわけですからね」。

そう、ライフウェイク®️は、人生の中でこれまで蓋をしてきたことまでこじ開けてゆき、自らの嫌な部分、遺恨のすべてを曝け出すことで真の自分と向き合うことで成立するもの。けれどそれを邪魔するものがひとつだけある。それは、『経営者たるもの』という偶像化されたイメージだ。

「社長はこうあるべきだとか、経営者はこんな姿を見せてはいけないとか、そんなことばかり考えていました。特に弱い部分を見せてはいけないという強迫観念のようなものがあって、そこにしがみついて踠いていたのだと思います」。

経営者はスーパーマンではなく一人の人間。パーフェクトな人生を送ってきた人など一人もいないだろう。でも、会社を牽引する経営者として見せてはいけないものがある。そう思い込んでいた。けれど、それは違っていた。自分たちが付いていく社長とはどういう人なのか、どんな想いを持った人なのか。その真の姿を知り、その人が発する言葉がどんな意味を持つのかを曝け出すことでようやく理解できるようになる。それは魔法や魔力のようなものではない。真の想いがまっすぐにつながった瞬間、人の心は動きはじめ、会社全体が動き出す。

「合宿を終えたとき、こんなに解放感のあるものだとは想像もしなかったです。つっかえていたものが全て取り除かれた気分でした」。

理念構築のためのライフウェイク®️を実施して10年が経過した。そのときに出来上がった理念は現在も継承され、全社員に浸透しているのはいうまでもない。もちろん『野田という人間とは』という部分からしっかりと周知され、理念は浸透している。
事業にも変化が出てきた。メインだった自動車業界で培った技術を応用し、異業種の参入も果たしている。

「まだまだこれからです。攻めるか守るか、ちょうどその境界線にいますね。昔と違って前向きな悩みですけれど」。

ライフウェイク®️合宿から約10年、あの日から野田社長は精神安定剤の服用をやめた。意識的ではなく必要でなくなったからだ。“経営者たるもの”という仮面は葬り去った。素の野田康洋こそが“ベスト”だということだろう。

企業情報

  • 株式会社ベスト
  • 本社:〒538-0042大阪市鶴見区今津中5-1-35
  • 熊本工場:〒863-1721熊本県天草市魚貫町2943
  • 代表者 : 代表取締役 野田 康洋
  • 事業内容 : ガスケットをはじめとする自動車及び二輪車のエンジン及び排気系関連部品(ワイヤーメッシュ部品:マフラー・エンジンカバーの制振用、緩衝用、フィルターなど、渦巻き形ガスケット:自動2輪車用純正部品など、 シール部品:ワイヤーリングなど、カーボン関連部品:排気管ジョイントシールなど)の設計・製造・販売
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